公営住宅とは、平たく言えば、
地方公共団体(都道府県や市区町村)が、収入の少ない人向けに、相場より安く提供している賃貸住宅
のことです。
ただし、なんとなく制度の名前を聞いたことはあっても、
「自分は対象なのか」
「どれくらい安いのか」
「どうやって申し込むのか」
が分からず、最初から候補から外している人も少なくありません。
この記事では、
家賃をできるだけ抑えたいと考えている人が、
「公営住宅」という選択肢を考える上で必要な情報だけを整理しています。
- 公営住宅とは、そもそもどんな住宅なのか?
- 家賃はどれくらい安くなるのか?
- 申し込みの条件は?
- もし抽選に落ちてしまった場合は?
知らないまま避けてしまう前に、
まずは「自分に関係があるかどうか」を確認してみてください。
公営住宅とは?民間賃貸と何が違うのか
公営住宅とは、
国や自治体が、収入の少ない人向けに提供している家賃の安い賃貸住宅です。
民間のアパートやマンションとは、
そもそもの目的が異なります。
公営住宅はどんな人向けの住宅?
公営住宅の対象者は、
家賃の負担が重い、低所得者です。
通常の民間賃貸は、
大家や管理会社が利益を出すことを前提としています。
一方で公営住宅の場合は、
利益を出すことを目的としていません。
そのため、
- 家賃が相場よりかなり安い
- 一定の条件を満たした人だけが申し込める
という仕組みになっています。
「誰でも住めるわけではない」という点は、
最初に押さえておく必要があります。
市営・県営・都営の違いは呼び方だけ
公営住宅には、次のような呼び方があります。
- 市営住宅
- 県営住宅
- 都営住宅
これらはすべて、まとめて**「公営住宅」**と呼ばれます。
違いは、
どの自治体が運営しているかだけです。
仕組みや考え方に大きな違いはありません。
なぜ民間より家賃が安いのか
公営住宅の家賃が安い一番の理由は、
収入に合わせて家賃が決まる仕組みだからです。
公営住宅では、
- 世帯の収入
- 世帯人数
などをもとに、家賃が決まります。
そのため、
- 同じ建物
- 同じ間取り
であっても、
住んでいる人によって家賃が違うことがあります。
「古いから」「狭いから」など、条件が悪いから安いというわけではないので、そこはご安心ください。
- 公営住宅は、国や自治体が運営する賃貸住宅
- 収入が高くない人向けで、民間賃貸より家賃の相場が安い
- 市営・県営・都営の違いは運営元だけ
- ただし、申し込めば誰でも住めるわけではない
公営住宅の家賃はどれくらい?収入との関係
公営住宅の家賃は、
民間の賃貸よりかなり安く、しかも人によって違います。
ワンルーム〜1LDK程度を想定すると、
目安は次のとおりです。
- 民間賃貸:6〜8万円前後
- 公営住宅:1.5〜4万円前後
※地域や建物条件で前後しますが、
家賃が「半額以下」になることも珍しくありません。
家賃は一律ではなく「収入連動」
民間賃貸では、
- 周辺相場
- 立地
- 築年数
などで家賃が決まります。
一方、公営住宅は、
- 収入
- 世帯人数
- 建物条件
をもとに家賃が決まります。
結果として、
同じエリア・同じ広さでも、家賃に大きな差が出ることがあります。
【目安表】年収と家賃のざっくり対応
細かい計算は不要です。
一般的な単身世帯の目安は、次のようなイメージになります。
| 年収の目安 | 月収の目安 | 家賃の目安 |
|---|---|---|
| ~200万円 | ~16万円 | 1.5~2万円台 |
| 200~300万円 | 16~25万円 | 2~3万円台 |
| 300~400万円 | 25~33万円 | 3~4万円台 |
| 400万円超 | ― | 対象外または高め |
※かなりざっくりした目安
※実際の金額は自治体・住宅ごとに異なります
「収入に対して無理のない家賃」になるよう調整される
と考えれば問題ありません。
よくある誤解
- 一律◯万円で住める
→ 収入によって変わります - ボロいから安い
→ 築年数は影響しますが、
一番の理由は制度設計です - 家賃が安すぎて不安
→ 国や自治体が管理しているため、
安全面はむしろ安定しています
ちなみに次のうち、どれかに当てはまるなら、
今より家賃が下がる可能性があります。
- 年収が300万円以下
- 家賃が手取りの3割以上
- 正直、家賃がきついと感じている
公営住宅に申し込める条件と、申し込み方法
公営住宅には、申し込むにはいくつかの条件があります。
申し込める人の条件(収入・地域・持ち家)
まず押さえておきたい必須条件は、次の3つです。
① 収入が一定以下であること
公営住宅は、収入制限があります。
- 年収が高すぎると申し込めない
- 基準は自治体ごとに決まっている
単身世帯の場合、
年収300〜400万円以下が目安になることが多いです。
※正確な金額は地域差あり
※「低所得=無職・生活保護」ではありません
普通に働いている一人暮らしでも、
条件に当てはまる人は少なくありません。
② その地域に住んでいる(または住む予定がある)
多くの公営住宅では、
住む地域との関係が条件になります。
- 市営住宅:その市に在住・在勤など
- 県営住宅:その県に在住など
「全国どこでも自由に申し込める」わけではありません。
③ 持ち家がないこと
原則として、次に当てはまる必要があります。
- 自分名義の家やマンションを持っていない
- 今すぐ住める持ち家がない
「家はあるけど、安いから住み替えたい」という理由では、
基本的に対象外です。
そのほか、見落とされがちな条件
厳しい条件ではありませんが、確認されます。
- 家賃を継続して支払えること
- 無収入だと厳しい場合あり
- 収入証明を求められることが多い
- 暴力団関係者でないこと
- 形式的な確認
自分が対象か確認するために見るポイント
次の項目が分かれば、
申し込めるかどうかは8割判断できます。
- 直近1年の年収
- 世帯人数(単身か、同居人ありか)
- 今住んでいる市区町村
- 持ち家があるかどうか
- 今の家賃がきついかどうか(感覚でOK)
これを整理したうえで募集要項を見ると、
「自分は対象か?」が分かりやすくなります。
どこへ申し込む?(自治体・公式サイト)
公営住宅の申し込み先は、
**住みたい地域の自治体(都・県・市)**です。
民間の不動産サイトや不動産屋では申し込めません。
探すときは、次のようなキーワードを使います。
- 「〇〇市 公営住宅 募集」
- 「〇〇県 県営住宅 申込」
- 「〇〇都 都営住宅 募集」
具体例(東京都の場合)
東京都では、
都営住宅の申し込み専用ページが用意されています。
▶ 東京都公式ページ
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/toei_online
このページでは、
- 募集中の住宅
- 申し込み期間
- オンライン申請
- 必要書類の案内
が、まとめて確認できます。
申し込み方法と、その後の流れ(ざっくり)
申し込み方法
現在は、次の2パターンが主流です。
① オンライン申し込み
- 自治体の公式サイトから申請
- 入力内容は、住所・収入・世帯人数など
- スマホ対応の自治体も多い
② 紙の申込書
- 申込書をダウンロード、または窓口で入手
- 郵送で提出
※高齢者向けに残っているケースが多い
申し込み後の流れ
多くの自治体で、流れは共通しています。
- 申し込み完了
- 受付完了の通知(メールまたは郵送)
- 条件チェック
- 応募者多数の場合、抽選
- 当選者に連絡
- 必要書類の提出
- 入居手続き
※
「申し込んだ=すぐ住める」わけではありません。
- 収入・地域・持ち家の条件を満たす必要がある
- 普通に働いている人でも対象になる場合がある
- 申し込み先は自治体の公式サイト
- 不動産屋では扱っていない
- 申し込み後は審査・抽選がある
抽選に落ちたらどうなる?補助や代替策の現実
公営住宅は、
申し込めば必ず入れる住宅ではありません。
抽選に外れた場合や、
「引っ越し費用まで面倒を見てくれるのか?」といった点は、
あらかじめ現実を知っておいたほうが安心です。
抽選の倍率はどれくらい?(東京都の例)
公営住宅は、
応募者が多い場合、抽選になります。
倍率は地域や物件条件で差がありますが、
東京都(都営住宅)の目安は次のとおりです。
- 人気エリア・単身向け
→ 10倍〜50倍以上 - 立地が不便・築年数が古い住宅
→ 数倍〜10倍前後
「とりあえず申し込めば当たる」
というものではありません。
落選後の救済措置はある?
結論から言うと、
公営住宅に落ちた人向けの自動的な救済措置はありません。
- 家賃補助が自動で出る
- 別の公営住宅に回してもらえる
といった仕組みはありません。
また、
- 落選=その募集は終了
- 次回募集があれば、また一から申し込み直し
となります。
引っ越し費用や家具代の補助はある?
残念ながら、公営住宅そのものには、
引っ越し費用や家具・家電の補助はありません。
この制度はあくまで、
**「家賃を安くする制度」**であって、
引っ越しを支援する制度ではありません。
具体的には、次のとおりです。
- 引っ越し費用の補助:なし
- 家具・家電の準備金:なし
- 入居一時金・給付金:なし
ただし、いくつか代替となり得る制度はあります。
以下に、続いてご紹介します。
(参考)公営住宅以外の住居に関する公的支援制度
住居確保給付金(家賃補助)
全国共通で実施されている制度です。
- 失業や収入減で家賃の支払いが厳しい人が対象
- 一定期間、家賃相当額を自治体が支給
- 支給先は、原則として大家や管理会社
※金額・期間には上限あり
※永続的な補助ではありません
公営住宅に落選したあと、
民間賃貸に住み続ける場合に使える制度です。
生活福祉資金貸付制度
こちらは給付ではなく貸付です。
- 引っ越し費用
- 当面の生活費
などに使える場合があります。
- 低所得者向け
- 無利子または低利子
- 社会福祉協議会が窓口
※借りたお金なので、あとで返す必要があります。
まとめ
公営住宅は、
誰でも必ず使える魔法のような制度ではありません。
収入や地域などの条件があり、
抽選に外れることもあります。
一方で、条件に合えば、
毎月の家賃負担を大きく下げられる可能性があります。
特別な人だけの制度ではなく、
普通に働いている人でも対象になるケースは少なくありません。
知っているかどうかで、
選べる住まいの選択肢は大きく変わります。
家賃を抑えたいと考えているなら、
一度「公営住宅」という選択肢が使えるかどうか、
確認しておいて損はありません。
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