退職したらマイナ保険証はどうなる?14日以内にやるべき国民健康保険の手続き

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昨今、政府主導によりマイナ保険証への移行が義務付けられました。

そこで現在仕事を辞めるか悩んでいる人の中には、「退職後もマイナ保険証はそのまま使えるのか」と疑問を抱く人も多いかと思います。
特にネットなどで「14日以内に手続きしないと大変なことになる」といったような情報を目にすると、どうすればいいのと不安に感じてしまう方もいるでしょう。

結論から言えば、退職後に何も手続きをしないでいると、マイナ保険証を使うことはできなくなってしまいます。

会社の健康保険は退職日の翌日に資格を失うため、その後に新たな健康保険へ加入しなければ、医療機関で保険資格を確認できなくなります。場合によっては、医療費をいったん全額(10割)自己負担しなければならないこともあります。

本記事では、仕事を辞めてもマイナ保険証を継続して使うために、

  • 退職後の健康保険がどのように切り替わるのか
  • 14日以内に行うべき「国民健康保険」の手続き

などを整理します。
退職後に慌てないためにも、いっしょに基本的な流れを確認していきましょう。

退職後もマイナ保険証が使えない理由

マイナ保険証とは

そもそもマイナ保険証は、健康保険そのものではありません。
あくまで、現在加入している健康保険の資格を確認するための仕組みという位置づけです。

従来は、会社員であれば「会社の健康保険証」、自営業や無職であれば「国民健康保険証」というように、保険ごとに紙やカードの保険証が発行されていました。医療機関では、その保険証を提示することで加入状況を確認していました。

マイナ保険証は、この「保険証の確認方法」をオンライン化したものです。医療機関はマイナンバーカードを読み取り、システム上で現在の保険加入状況を照会します。

例えるなら、マイナ保険証は「保険資格を証明するICカード」であり、それそのものに医療費を軽減する能力はないのです。

使えるかどうかは「保険に加入しているか」で決まる

そのためマイナ保険証が使えるかどうかは、現在有効な健康保険に加入しているかどうかで決まります。

  • 健康保険に加入していれば利用できる
  • 未加入の状態では資格確認ができない
  • カードを持っているだけでは医療費は軽減されない

重要なのは、「マイナンバーカードの有無」ではなく「保険加入の有無」です。

会社の保険は退職日の翌日に自動で失効する

会社員が加入している健康保険は、退職日の翌日に資格を喪失します。

例えば、

  • 3月31日退職の場合
  • 4月1日から会社の健康保険は無効

となります。

この時点で、新たな健康保険に加入していなければ、無保険状態になります。無保険のまま医療機関を受診した場合、原則として医療費は全額自己負担(10割)となります。

したがって、退職後もマイナ保険証を利用するためには、会社の保険終了後に別の保険へ速やかに加入することが必要です(事項で詳しく解説)。

退職後に必要なのは「国民健康保険への加入」

会社を退職すると、会社の健康保険は退職日の翌日に資格を失います。そのため、引き続き医療保険を利用するには、新たに健康保険へ加入する必要があります。

再就職までに空白期間がある場合、多くの人が選択するのが国民健康保険(国保)です。

国民健康保険とは

国民健康保険は、市区町村が運営する公的医療保険制度です。会社の健康保険に加入していない人が対象となります。

主な特徴は次のとおりです。

  • 自営業者や無職の人などが加入対象
  • 市区町村で手続きを行う
  • 医療費の自己負担は原則3割(会社の保険と同じくらい)
  • 保険料は前年の所得などを基に計算される
  • 加入日は退職日の翌日にさかのぼるのが原則である

なおここで重要なのは、手続き日ではなく「退職日の翌日」から加入扱いになるという点です。

「14日以内」に手続きすべき理由

国民健康保険の加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に行うこととされています。

ただし、実務上の取り扱いは次のとおりです。

  • 14日を過ぎても加入は可能である
  • 期限を過ぎたからといって加入を拒否されることは原則ない
  • 加入日は退職日の翌日にさかのぼる

つまり、「14日を過ぎると無保険になる」という仕組みではありません。

14日を過ぎた場合に起きること

14日を過ぎてから手続きを行った場合でも、加入は退職日の翌日にさかのぼります。そのため、次の点に注意が必要です。

  • 保険料は退職日の翌日から発生する
  • 手続きが遅れた期間分の保険料はまとめて請求される
  • 医療機関を利用していた場合は、後から精算手続きが必要になることがある

例えば、4月1日から無保険状態となり、5月10日に国保へ加入した場合でも、4月1日から加入していた扱いになります。その結果、4月分の保険料も支払うことになります。

つまり国民健康保険については、14日を過ぎても加入は可能ですが、保険料は退職日までさかのぼって発生するのです。

そのためどうせいつか加入するのであれば、手続きの手間や立て替えの負担を減らすためにも、退職後は早めに国民健康保険へ加入することが合理的というわけです。

(ちなみに)国保の加入前に病院へ行った場合はどうなる?

退職後、まだ国民健康保険の加入手続きをしていない状態で医療機関を受診した場合、原則としていったん医療費を全額(10割)自己負担することになります。

これは、医療機関側で保険資格の確認ができないためです。

ただし、その後に国民健康保険へ加入すれば、前述のとおり退職日の翌日にさかのぼって加入扱いとなるため、支払った医療費のうち「保険給付分(原則7割)」を後から払い戻してもらうことが可能です。

手続きの流れは次のとおりです。

  • 医療機関でいったん10割を支払う
  • 国民健康保険に加入する(退職日の翌日にさかのぼり適用)
  • 市区町村に「療養費支給申請」を行う
  • 原則7割分が払い戻される

申請時には、次の書類が必要になるのが一般的です。

  • 医療機関の領収書(原本)
  • 診療明細書
  • 振込先口座情報
  • 国保の被保険者情報

なお、払い戻しまでには一定の期間を要します。また、申請には期限があり、通常は支払日の翌日から2年以内とされています。

このように、加入前に受診しても後から精算することは可能です。しかし、一時的な全額負担や申請手続きの手間が発生するため、やはりできるだけ早めに国保へ加入しておくことが望ましいといえます。

国保加入後、マイナ保険証はそのまま使える?

基本的に再登録は不要

すでにマイナンバーカードを健康保険証として利用登録している場合、国保加入後に改めて登録し直す必要はありません。

  • 利用登録は一度行えば原則ずっと有効
  • 保険が切り替わると、資格情報がオンライン上で更新される
  • 同じマイナンバーカードで新しい保険情報を確認できる

つまり、カードはそのまま使い続けることが可能です。変更されるのはカードそのものではなく、登録されている保険情報です。

(注意)データ反映にタイムラグがあることも

ただし、国民健康保険へ加入した直後は、保険資格情報が医療機関のオンライン資格確認システムに反映されるまでに時間がかかる場合があります。

そのため、加入手続きを終えていても、医療機関側で資格確認ができないことがあります。例えば、旧保険の情報がまだ残っている、または新しい国保の情報が未反映といった状態が一時的に発生することがあります。

このような場合、医療機関では保険資格を確認できないため、いったん医療費を全額(10割)自己負担として支払うよう求められることがあります。

もっとも、国保に正式に加入していれば、後日精算することは可能です。ただし、立て替え払いと払い戻し申請の手続きが必要になるため、加入直後に受診予定がある場合は、役所へ資格情報の反映状況を確認しておくと安心です。

まとめ

退職後のマイナ保険証について、押さえておくべきポイントは次の通りです。

まず、マイナ保険証は保険そのものではありません。
加入している健康保険の資格を確認するための仕組みです。

次に、会社を退職すると、会社の健康保険は退職日の翌日に終了します。
そのまま何も手続きをしなければ、無保険状態になります。

国民健康保険の加入手続きは原則14日以内とされていますが、期限を過ぎても加入自体は可能です。
加入日は退職日の翌日にさかのぼるため、医療費も条件を満たせば精算できます。

ただし、手続きが遅れると、

  • 保険料がさかのぼって請求される
  • 医療費をいったん全額立て替える可能性がある
  • 払い戻しの申請手続きが必要になる

といった負担が生じます。

退職後もマイナ保険証を問題なく使うためには、国民健康保険への加入手続きを行うことが前提となります。
次の仕事が決まるまでの空白期間がある場合は、できるだけ早めに手続きを済ませておくと安心です。

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