自転車のスマホホルダーは違反?罰則になるケースを解説【2026年青切符対応】

アイキャッチ画像(記事17) 雑学・小ネタ

近年、ウーバーイーツなどの配達員を中心に、自転車のハンドル部分へスマホホルダーを取り付ける人が増えています。ナビアプリを表示しながら走行している姿も、日常的な光景になりました。

一方で、自転車の「ながらスマホ」に対する取り締まりは年々強化されています。走行中にスマートフォンを操作したり、画面を見続けたりする行為は違反の対象です。

そこで本記事では、自転車のスマホホルダーがルール上どこまで許されるのかという境界線と、ながらスマホに関する罰則について整理します。
また、2026年4月からは自転車にも青切符(交通反則告知制度)が導入され、違反の扱いが変わりますので、その辺りも含めて解説していきます。

スマホホルダーは違反?

結論:ホルダー固定だけなら違反ではない(原則)

結論として、スマホホルダーを自転車に取り付けること自体は、道路交通法上、直ちに違反とはされていません。
ただし、走行中の使い方によっては違反になる可能性があります。

以下は法律上の整理です。

道路交通法では、自転車は「軽車両(車の仲間みたいなもの)」に分類されます。そのうえで問題となるのは、「携帯電話の使用方法」です。

2024年改正後の道路交通法では、次のように定められています。

【道路交通法第71条第5号の5】
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車、原動機付自転車又は自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第四号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第四号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

※自転車についても同様の趣旨で規制が及びます(2024年改正により対象拡大)。

この条文で直接禁止されているのは、「通話」および「注視」です。
スマホホルダーに固定していること自体は、条文上の禁止行為には含まれていません。

したがって、スマホホルダーを使用しているだけで、直ちに違反となる可能性は極めて低いです(そもそももしそうなら販売自体が禁止されそうですからね)

違反になるのは「注視」と「通話」

前述の通り、違反の判断基準になるのは、次の行為です。

  1. 画面を見続ける(注視)
  2. 通話のために使用する

条文にある「注視」とは、単なる一瞬の確認ではなく、継続的に見続けることを指します。
具体的な秒数の基準は明示されていませんが、安全な運転に支障を及ぼす程度かどうかが判断材料になります。

また、通話についても問題になります。ホルダーに固定していても、

  • スピーカー通話をしながら走行する
  • 会話に集中して前方注意を怠る

といった状況では、違反と判断される可能性があります。

つまり、違反かどうかは「固定しているか」ではなく、「どう使っているか」で判断されます。

安全運転義務違反との関係

さらに重要なのが、「安全運転義務」です。

【道路交通法第70条】
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

これは非常に広い規定であり、個別の禁止行為に該当しなくても、安全な運転ができていない場合は違反になります。

たとえば、

  • ナビ画面を長時間見続けていた
  • 通話に気を取られてふらついた
  • 前方不注意で危険な走行をした

といった場合は、「安全運転義務違反」として取り締まりの対象になる可能性があります。

ここまでのまとめ
  • スマホホルダーの装着自体は原則違反ではない
  • 問題になるのは「注視」と「通話」
  • 安全運転に支障があれば第70条違反になる可能性がある

違反になる具体的なケースと境界線

先ほど確認した通り、スマホホルダーが違反かどうかは、ホルダーの装着ではなく、走行中の使い方で決まります。
特に判断の中心になるのは、次の2点です。

  • 画面を注視していないか(見続けていないか)
  • 通話などで注意力が落ち、安全な運転を妨げていないか

明確に違反となるケース

ホルダーに固定していても、次の使い方は違反になり得ます。

  • 走行中に画面を見続ける(注視する)
  • 周囲の音が聞こえない状態でイヤホンを使って走行する(通話・音楽を含む)

イヤホンについては、条例などの地域の規則で「周囲の音が聞こえない状態での運転」を禁止していることが多く、道路交通法とは別にアウトです。
一方で、「片耳だけなら大丈夫」という声も聞きますが、安全面を考慮するならば、やはり控えた方がいいでしょう。

条件や状況次第でアウトとなるケース

ホルダー利用で多いのが「ナビ確認」と「ハンズフリー通話」です。これらは即アウトではないですが、注意が必要です。

  • ナビ表示の確認
    ※ただし、短い確認にとどまる。視線を何度も落として実態として見続けると、「注視」と判断される可能性があり
  • スピーカー通話などのハンズフリー

なお、スピーカーでの通話の場合も、会話に気を取られてふらつき・前方不注意が出れば、別の違反(安全運転義務違反)として問題になり得ますので注意してください。

取り締まりと罰則について

自転車の「ながらスマホ」に対する罰則は、2024年の法改正により強化されました。さらに、2026年4月からは青切符(交通反則告知制度)が導入され、処理の仕組みが変わります。

ここでは、制度と実務の両面から整理します。

2026年3月までの罰則(刑事罰)

2024年改正後、自転車のながらスマホには明確な刑事罰が設けられています。

主な内容は次のとおりです。

  • 走行中のながらスマホ
    6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
  • ながらスマホにより実際に危険を生じさせた場合
    1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

ここでいう「ながらスマホ」には、

  • 通話のための使用
  • 画面の注視

が含まれます。

この段階では、違反すると刑事手続きの対象になります。反則金ではなく、検察に送致される可能性がある扱いです。

2026年4月から始まる青切符制度

2026年4月からは、自転車にも「青切符(交通反則告知制度)」が導入されます。

青切符とは、比較的軽微な交通違反について、刑事手続きではなく反則金の納付で処理する制度です。

これにより、自転車のながらスマホも、原則として反則金の対象になります。

主なポイントは次のとおりです。

  • 対象:16歳以上の自転車利用者
  • 軽微な違反は青切符で処理
  • 反則金を納付すれば刑事手続きに進まない

ちなみに、ながらスマホの反則金は

12,000円

です。

これは自転車の違反の中でも高額な部類に入ります。

さらに言うと、事故を起こした場合や悪質なケースでは、青切符ではなく即刑事手続きになる可能性もあります。

今後、取り締まりはさらに厳しくなる可能性

青切符の導入により、

  • いきなり刑事罰ではなくなる
  • 前科が付く可能性が下がる

という点だけを見ると、「処分が軽くなった」と感じるかもしれません。

しかし実務面では、別の変化が想定されます。

これまで自転車の違反は、刑事処分前提のため手続きが重く、注意や指導で終わるケースも少なくありませんでした。

青切符導入後は、

  • その場で反則金を告知できる
  • 刑事手続きに比べて事務負担が軽い

という仕組みになります。

その結果、

  • 取り締まりが実施しやすくなる
  • 指導止まりではなく反則金処理になるケースが増える可能性

があります。

つまり、

制度上は「軽く見える」一方で、実際の摘発は現実的かつ増加する可能性がある

というのがポイントです。

スマホホルダーの利用者にとっても、「固定しているから大丈夫」と安易に考えるのではなく、使用方法そのものが問われる時代に入ると言えます。

スマホホルダーを安全に使うためのポイント

ここでは、実際にトラブルを避けるための基本的なポイントを整理します。どれも当たり前の内容ですが、念のため今一度確認しておきましょう。

操作は停止中のみ

道路交通法では、走行中の通話や画面の注視が禁止されています。
そのため、スマートフォンの操作は必ず停止してから行うことが基本です。

  1. 路肩など安全な場所に完全に停止する
  2. 周囲の安全を確認する
  3. 目的地の再設定や画面操作を行う

このような形で、きちんと周囲に配慮しつつ使うのがベストです。信号待ちで完全に停止している場合は操作が可能ですが、青信号に変わる直前など慌ただしい場面での操作は安全とは言えません。

あくまで「動きながら操作しない」ことが原則です。

音声ナビ中心にする

ホルダー利用で最も問題になりやすいのが「注視」です。
ナビ画面を見続けると違反になる可能性があります。

  • 音声案内をオンにする
  • 進路確認は交差点前の短時間にとどめる
  • 走行中は前方を見ることを優先する

画面を見る回数を減らすことで、注視と判断されるリスクを下げられます。

通話は原則しないのが無難

ハンズフリー通話は直ちに違反とは限りませんが、安全運転に支障があれば取り締まりの対象になります。

また、イヤホン使用は地域の規則で禁止されている場合が多く、実質的にリスクが高い行為です。

  • 走行中は通話しない
  • 着信があれば停止してから折り返す
  • イヤホンを使用しない

基本的には上記のことを心がけて、スマホホルダーを使う場合でも通話は停止してから行うのが無難でしょう。

まとめ

自転車のスマホホルダーは、取り付けているだけで違反になるわけではありません。問題になるのは、走行中にどのように使っているかです。

特に注意したいのは、「画面を見続けること」と「通話によって注意力が落ちること」です。ホルダーに固定していても、ナビを見続ければ違反になる可能性がありますし、ハンズフリー通話であっても運転に支障が出れば取り締まりの対象になります。

また、罰則については2026年3月までは刑事罰の対象ですが、2026年4月からは青切符制度が始まり、ながらスマホは反則金12,000円の対象になります。さらに青切符の導入により、これからは一層取り締まりは厳しくなると見込まれます。

スマホホルダーは便利なアイテムです。

けれども「手で持たず固定しているから大丈夫」と考えるのではなく、ながらスマホになっていないかを十分に意識して使うようにしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました