今さら聞けない「利上げ」とは?利上げするとどうなるのかをやさしく解説(物価・円安・住宅ローン)

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ここ最近、ニュースなどで「日銀が利上げ」「利上げ観測」といった言葉を耳にする機会が増えています。

しかし、「利上げとは何か」「利上げすると何が起きるのか」を正確に説明できる人は、それほど多くありません。言葉だけが先に広まり、意味がよく分からないままニュースを見ているという人も少なくないでしょう。

今回は、そんな「利上げ」というワードの意味や、「利上げすると世の中はどうなるの?」といった点を解説していきます。

なお、詳しい説明はすでに大手の金融機関サイトなどに解説記事があるため、本記事ではあくまで「専門用語をできるだけ使わず、とことんわかりやすく」を心がけて解説していきたいと思います。

この記事でわかること
  1. 利上げとは何か
  2. 利上げすると何が起きるのか(物価・円・住宅ローンなど)
  3. 利上げのメリットとデメリット
  4. なぜ最近、日本で利上げがニュースになっているのか

利上げとは?

利上げとは、シンプルに言うと「お金を借りるときの“レンタル料金(利子)”を高くすること」です。

銀行からお金を借りると、借りた金額と同じ額を返すわけではありません。
基本的には、借りたお金より少し多く返すことになります。

この「多く返す部分」が、いわゆる「利子」と呼ばれるものです。

たとえば、次のようなイメージです。

例:100円借りる → 105円で返す

このときの +5円が利子です。

お金が借りづらくなる

ここで大事なのは、利子の高さによってお金の借りやすさが変わるという点です。

利子が安いと、返す金額があまり増えません。
そのため、会社や個人は「それなら借りよう」と考えやすくなります。

逆に、利子が高くなるとどうでしょうか。

返さなければならない金額が増えるため、「借りるのはやめておこう」と考える人が増えます。

ですのでシンプルにまとめるとこうなります。

  • 利子が安い → お金を借りやすい
  • 利子が高い → お金を借りにくい

つまり、「利上げ=お金を借りづらくすること」とも言い換えられます。

利上げを行うのは「日本銀行」

では、この利子の上げ下げを行っているのは誰か。

それが、日本では「日本銀行(日銀)」なのです。

日銀が「金利を上げます」と決めると、銀行がお金を貸すときの利子も少しずつ高くなっていきます。

その結果、世の中全体でお金を借りる人が減る方向に動くことになります。

これがニュースでよく聞く「日銀の利上げ」の基本的な意味です。

ちなみに・・・

日本銀行は独立した組織ですが、日銀の総裁(トップ)は政府が指名し、国会が承認して決まります。
また、実際の経済政策は、

  • 政府 → 財政政策(減税・補助金など)
  • 日銀 → 金融政策(金利調整など)

という形で、両者が組み合わさって行われます。

そのため、経済の結果が悪いと政府と日銀の政策をまとめて評価されることになります。
利上げの話でよく政府がやり玉にあがるのも、この辺りが理由です。

なぜ利上げするのか?

利上げが行われる一番の理由は、世の中にお金が出回りすぎたときに、物価の上がりすぎを抑えるためです。

ニュースではよく「インフレ対策」などと言われますが、仕組み自体はそこまで難しくありません。
以下、イメージしやすい例で考えてみます。

利上げのイメージ(例)

たとえば、学校のクラスをイメージしてみてください。
そしてそこで「とあるお菓子」が人気だとします。

クラスには10人しかいません。
そして、売っているお菓子の数もそれほど多くないとします。

ところが、ある日クラスの全員が1000円ずつ持っている状態になりました。

するとどうなるでしょうか。

みんなが「お菓子を買いたい」と思うので、お店はこう考えるようになります。

「もっと高くしても売れるのでは?」

その結果、お菓子の値段はこう変わっていきます。

100円だったお菓子が
→ 120円になる

それでも売れるので
→ 150円になる

このように、「買いたい人が多く」、「お金もたくさんある」状態になると、物の値段は上がりやすくなります。

利上げは「物価上昇(インフレ)」を抑えるブレーキ

そしてこの状態を、世間では

物価上昇(インフレ)

と呼んでいます。(これもニュースでよく聞くワードですね)

そして、世の中でインフレが強くなりすぎると、生活に影響が出ます。

たとえば

  • 食べ物
  • 電気代
  • ガソリン
  • 家賃

こういった生活に必要なものまで、どんどん高くなっていきます。

そのため、中央銀行(日本では日銀)は物価が上がりすぎないように調整する役割を持っています。

そこで使われるのが「利上げ」です。

利上げをすると、お金を借りるときの利子が高くなります。
するとどうなるか。

  • 会社が大きな投資を控える
  • 家などを買う人が少し減る
  • 借り入れを控える人が増える

このように、世の中で動くお金の量が少し落ち着きます。

その結果、

「お金が多すぎて物価が上がる」

という状態を、少し抑えることができます。

つまり、利上げは一言でいうと

物価が上がりすぎないようにするためのブレーキ

のようなものです。

景気が良くてお金がどんどん動いているとき、そのスピードを少し落とすために行われるのが「利上げ」なのです。

利上げのメリット・デメリット

利上げには「いい面」と「気をつけたい面」の両方があります。
ニュースでも賛成・反対の意見が分かれるのは、このためです。

まず大前提として、利上げは経済のスピードを少し落とすための仕組みです。
そのため、良い影響もあれば、困る人が出る場合もあります。

ここでは、代表的なメリットとデメリットを整理してみます。

利上げのメリット

物価上昇を抑える

利上げの一番大きな役割は、物価の上がりすぎを抑えることです。

前の見出しで説明したように、世の中にお金が多く出回りすぎると、物の値段はどんどん上がりやすくなります。
この状態が続くと、生活に必要なものまでどんどん高くなってしまいます。

たとえば

  • 食べ物
  • 電気代
  • ガソリン
  • 家賃

こういった生活費が全体的に上がっていくと、家計の負担はかなり大きくなります。

そこで利上げを行うと、お金を借りる人が減り、世の中で動くお金の量が少し落ち着きます。

その結果、物価の上がり方にブレーキがかかり、家計への負担が弱まるのです。

円の価値が上がりやすくなる(円高)

利上げをすると、もう一つ起きやすい変化があります。

それは、「円の価値が上がることがある(円高)」という点です。

理由はシンプルで、金利が高い国には世界中の投資のお金が集まりやすいからです。

投資家から見ると、

「金利が高い国にお金を置いたほうが得」

と考えるため、その国の通貨を買う人が増えます。

その結果、円の価値が上がることがあります。

円高になると、海外から買っているものの値段が下がりやすくなります。

たとえば

  • ガソリン
  • 食料品(小麦など)
  • スマホや家電
  • その他の輸入品

こういったものが安くなりやすいというメリットがあります。

利上げのデメリット

一方で、利上げには注意点もあります。

住宅ローンの負担が増える

利上げの影響を受けやすいのが、住宅ローンです。

住宅ローンは長い期間で返していくため、金利が少し変わるだけでも返済額が大きく変わります。

たとえば、3000万円の住宅ローンの場合。

金利が少し上がっただけで、元の金額が大きいため、最終的な支払額が数百万円単位で増えることもあります。

特に「変動金利型」の住宅ローンを利用している場合、金利の上昇の影響を受けやすいと言われています。

そのため、利上げが話題になると住宅ローンのニュースもよく取り上げられます。

景気が弱くなる可能性がある

利上げが行われると、お金を借りるコストが高くなります。

その結果、会社は次のような判断をすることがあります。

  • 新しい店を作るのをやめる
  • 工場の建設を見送る
  • 新しい人を雇うのを控える

つまり、企業の投資が減る可能性があります。

企業の投資が減ると、経済全体の動きも弱くなります。いわゆる「景気が冷えこむ」などと表現される状態ですね。

利上げが議論になる理由

ここまでまとめると、利上げは

  • 物価の上がりすぎを抑える
  • 円高になりやすい

というメリットがある一方で

  • 住宅ローンの負担が増える
  • 景気が弱くなる可能性がある

というデメリットもあります。

そのため、日本銀行は

利上げをするタイミングや強さを慎重に判断する必要があります

ここまでの流れで、利上げはブレーキの役割だと例えてきました。
スピードが出すぎたときには必要ですが、踏みすぎると今度は車が止まってしまいます。

だからこそ、ニュースではいつも「利上げするべきかどうか」が議論されているわけです。

逆に言えば、利上げそのものは決して「悪」ではないとも言えます。ここが経済の難しいところでもあります。

なぜ最近「利上げ」のニュースが増えているのか

ここ最近、ニュースで「日銀の利上げ」という言葉をよく見かけるようになりました。
その理由はシンプルで、日本の金利が長い間ほぼ0%だったからです。

日本はおよそ30年近く、とても低い金利の状態が続いてきました。

これは世界的に見てもかなり珍しい状態で、「ほぼお金を借りても利子がつかない」と言えるレベルの低金利でした。

なぜ日本はずっと低金利だったのか

理由は、日本では長い間

物価があまり上がらなかった

からです。

多くの国では、物価は少しずつ上がっていきます。
そのため日本銀行のような各国の中央銀行は、ときどき金利を上げたり下げたりして調整します。

しかし日本では、長い間

  • 物価がほとんど上がらない
  • むしろ下がることもある

という状況が続いていました。

そのため、景気をよくする目的で金利を低く保つ政策が続いてきたのです。

しかし最近、状況が変わってきた

ところが、ここ数年で状況が少し変わってきました。

ニュースでもよく取り上げられているように、

  • 食料品
  • 電気代
  • ガソリン

など、いろいろなものの値段が上がっています。しかも急激に。

つまり、日本でも物価上昇(インフレ)が目立つようになってきたわけです。

円安も大きな理由

もう一つ大きな理由が、円安です。

円安とは、簡単に言うと

円の価値が他の通貨より弱くなること

です。

円安になると、海外から買っているものの値段が上がります。(価値が低くなった分、たくさん通貨を払わないと買えない)

たとえば

  • ガソリン
  • 小麦
  • 食料品
  • スマホや家電

こういった輸入品の価格が上がりやすくなります。

その結果、日本国内の物価もさらに上がり、インフレに拍車がかかるという流れに陥ってます。

そこで出てくるのが「利上げ」の話

このように

  • 物価が上がってきた
  • 円安が続いている

という状況になると、

「そろそろ金利を上げたほうがいいのでは?」

という議論が出てきます。

金利を上げると

  • インフレを抑える効果
  • 円安を抑える可能性

があるためです。

そのため現在は、ニュースでも

「日銀が利上げするのではないか?」

という話題がよく取り上げられているのです。

まとめ

利上げとは、お金を借りるときの利子を高くすることです。

日銀が金利を上げると、企業や個人がお金を借りにくくなり、世の中で動くお金の量が少し落ち着きます。

これは主に、物価が上がりすぎるのを防ぐために行われます。お金が多く出回ると、食べ物や電気代など生活に必要なものの値段まで上がりやすくなるからです。

ただし利上げには、物価上昇を抑える効果がある一方で、住宅ローンの負担が増えたり、景気が弱くなる可能性もあります。

日本では長く低金利が続いていましたが、最近は物価上昇や円安の影響もあり、「利上げするのではないか」とニュースで注目されています。

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