「利上げで住宅ローンも高くなる」のはなぜ?仕組みをシンプルに解説

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近年、ニュースでは「利上げ」についてや、それに伴って「住宅ローンも高くなる」といった言葉をよく目にするようになりました。

金利が上がると住宅ローンの負担が増える可能性があるため、住宅購入を考えている人や、すでに住宅ローンを組んでいる人にとって重要な話題です。

しかし、そもそも住宅ローンの仕組みや、金利がどのように返済額に影響するのかは、意外と分かりにくいものです。

ニュースでは「利上げ」という言葉だけが先に出てくるため、「結局、なんで住宅ローンに影響するの?」「本当に返済額は上がるの?」と思う人も多いでしょう。

この記事では、まず住宅ローンの基本的な仕組みを整理したうえで、利上げが住宅ローンにどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説していきます。
数分でさっくり読み終えるレベルですので、ぜひ最後までご覧ください。

住宅ローンの仕組み

住宅ローンは「家を買うための長期の借金」

住宅ローンとは、家を購入するためにお金を借りる仕組みのことです。多くの場合、銀行や信用金庫などの金融機関が住宅購入に必要な資金を貸し出します。

住宅は非常に高額な買い物です。マンションや一戸建ての価格は、一般的に数千万円程度になることが多く、個人が現金で一括払いするのは簡単ではありません。そこで利用されるのが住宅ローンです。

住宅ローンでは、銀行が住宅の購入代金を先に立て替える形になります。購入者はそのお金を借りることになり、長い期間をかけて少しずつ返済していきます。

住宅ローンの返済期間は長く設定されるのが一般的です。多くの人は、次のような期間で返済を行います。

  1. 20年
  2. 25年
  3. 30年
  4. 35年

このように、住宅ローンは数十年という長い時間をかけて返していく借金です。毎月決められた金額を支払い、時間をかけて少しずつ借りたお金を返済していきます。

金利とは「お金を借りる料金」

住宅ローンでは、借りたお金をそのまま返すだけではありません。お金を借りることには「料金」がかかります。この料金の仕組みを理解するうえで重要なのが、「金利」という言葉です。

銀行は、ボランティアでお金を貸しているわけではありません。お金を貸す代わりに、利息(りそく)と呼ばれる追加の金額を受け取ります。

この利息の割合を示す数値が金利です。

つまり、金利とは次のような意味を持つ言葉です。

  • お金を借りるときに発生する料金の割合
  • 借りた金額に対して、どれだけ利息が増えるかを示す数値

具体例で見てみましょう。

借入額と返済額の例

借入額:100万円
金利:10%

この場合、返済する金額は次のようになります。

100万円(借りたお金)
+10万円(利息)
=110万円

つまり、借りた金額よりも多くのお金を返す必要があります

  1. 金利=お金を借りるときの料金の割合
  2. 金利が高いほど利息が増える
  3. 利息が増えるほど、最終的な返済額も大きくなる

このように、金利が高いほど住宅ローンの負担は大きくなります。住宅ローンを理解するうえでは、まずこの仕組みを押さえておくことが重要です。

利上げすると住宅ローンはどうなる?

ではここからが本題、「利上げと住宅ローン」の関係についてです。

利上げとは「金利を上げること」

ニュースでよく聞く「利上げ」とは、銀行によって金利が引き上げられることを意味します。
金利は、お金を借りるときに発生する料金の割合です。そのため、金利が上がると、お金を借りるときの負担も大きくなります。

つまり利上げとは、言い換えると「お金を借りる料金が高くなること」です。住宅ローンもお金を借りる仕組みであるため、金利の変化は大きく関係します。

金利の変化は、次のように表すことができます。

金利の変化の例

金利:1%

金利:2%

このように、金利の数値が上がることを「利上げ」と呼びます。

  1. 利上げ=金利が上がること
  2. 金利=お金を借りるときの料金
  3. 利上げが起きると、借金の返済額も高くなる

金利が上がると住宅ローンの返済額も増える

住宅ローンでも、借りた金額に金利がかかるため、金利が上がると返済額も増えます。

ここでは、住宅ローンの具体例を見てみます。


借入額:3000万円
返済期間:35年(一般的な住宅ローン)

この条件で住宅ローンを組んだ場合、金利によって毎月の返済額は次のように変わります。

住宅ローンの返済額の例

金利:1%
月々の返済額:約8万〜9万円

金利:2%
月々の返済額:約10万〜11万円

なぜこのような金額になるのでしょうか。まず、住宅ローンでは借りたお金を毎月少しずつ返済していく仕組みになっています。

例えば3000万円を35年で返す場合、元金だけを単純に割ると次のようになります。

3000万円 ÷ 35年 ÷ 12か月
=約7万1000円

これは金利を含めない場合の最低の返済額です。

実際の住宅ローンでは、ここに金利による利息が加わります。そのため、毎月の返済額は次のように増えます。

返済額のイメージ

元金の返済:約7万円

利息(銀行に支払う料金)

この利息が金利によって変わるため、金利が上がるほど毎月の返済額も増えていきます。

  1. 住宅ローンは毎月少しずつ返済する仕組み
  2. 元金に加えて「利息」も支払う必要がある
  3. 金利が上がるほど利息が増え、返済額も増える

そのため、利上げが行われると住宅ローンの負担も大きくなる可能性があります。

ただし全員の住宅ローンがすぐ上がるわけではない

金利が上がると住宅ローンの返済額が増える可能性があります。しかし、利上げが起きたからといって、すべての住宅ローンの返済額がすぐに上がるわけではありません。

その理由は、住宅ローンには金利の仕組みが異なる2つのタイプがあるためです。

住宅ローンの主な金利タイプ

  1. 固定金利
  2. 変動金利

この2つは、金利がどのように決まるかという点で大きく違います。住宅ローンを組むときには、どちらのタイプを選ぶかによって、将来の返済額の変わり方も異なります。

それぞれの仕組みについては、次の項目で詳しく見ていきます。

住宅ローンには「固定金利」と「変動金利」がある

固定金利:金利が変わらない住宅ローン

住宅ローンには、金利の決まり方によっていくつかの種類があります。その代表的なものが「固定金利」です。

固定金利とは、住宅ローンを借りたときの金利が、その後も変わらない仕組みを指します。契約時に決められた金利が、返済期間のあいだずっと続きます。

例えば、住宅ローンを次の条件で借りたとします。

借入時の金利:1.5%
返済期間:35年

この場合、途中で社会全体の金利が上がったとしても、住宅ローンの金利は1.5%のまま変わりません。そのため、毎月の返済額も基本的に変わらず、同じ金額を支払い続けることになります。

固定金利の特徴

  • 借りたときの金利が返済期間中ずっと続く
  • 利上げが起きても返済額は変わらない
  • 将来の返済額があらかじめ分かる

ただし、固定金利には次のような特徴もあります。

  • 将来の金利上昇リスクを銀行が引き受ける
  • そのため、変動金利より金利がやや高く設定されることが多い

このように、固定金利の住宅ローンは将来の返済額が変わらない安心感がある一方で、金利は少し高くなる傾向があります。

変動金利:金利が途中で変わる住宅ローン

住宅ローンのもう一つの代表的なタイプが「変動金利」です。
変動金利とは、借りた後に金利が変わる可能性がある住宅ローンを指します。

変動金利では、契約時に金利が決まりますが、その金利がずっと続くわけではありません。金融市場の状況に応じて、一定期間ごとに金利が見直される仕組みになっています。

一般的には、次のような形で金利が見直されます。

変動金利の基本的な仕組み

  1. 契約時に現在の金利が設定される
  2. 一定期間ごとに金利が見直される
  3. 市場の金利に応じて上がることもあれば下がることもある

現在の日本では、住宅ローンの利用者の多くが変動金利タイプを選んでいます。その理由の一つは、固定金利よりも最初の金利が低く設定されることが多いためです。

ただし、変動金利には注意点もあります。
金利は将来変わる可能性があるため、利上げが行われると住宅ローンの金利も上がる場合があります。金利が上がれば、毎月の返済額や将来の返済負担が増える可能性があります。

このように、変動金利の住宅ローンは金利が低く始められるメリットがある一方で、利上げの影響を受けやすい特徴があります。

だから今「住宅ローンと利上げ」がニュースになっている

最近、ニュースで「利上げ」と「住宅ローン」という言葉が一緒に取り上げられることが増えています。その背景には、日本の金利の状況があります。

日本では長年、景気を支えるために「金利を低く保つ政策(低金利政策)」が行われてきました。

金利が低いと、お金を借りやすくなります。企業は設備投資をしやすくなり、個人も住宅ローンなどを利用しやすくなるため、経済活動を活発にする効果が期待されます。

この政策が続いてきた理由の一つは、日本で長く続いた「物価の伸び悩み(デフレ傾向)」です。物価が上がりにくい状況で、金利を低くしてお金を使いやすくすることで、経済を支えようとしてきたのです。

その結果、日本の金利は世界の中でも特に低い水準にありました。

世界の金利と日本の状況(イメージ)

  • 日本:長期間にわたり非常に低い金利
  • 欧米:景気や物価の状況に応じて金利を上げ下げ

特にアメリカやヨーロッパでは、物価が上昇すると金利を引き上げるなど、比較的頻繁に金利政策が調整されてきました。一方、日本では低金利の状態が長く続いたため、住宅ローンの金利も低い水準に保たれていました。

しかし近年は、エネルギー価格や食品価格の上昇などにより、日本でも物価が上がる場面が増えています。物価の上昇を抑えるため、将来的な金利の引き上げが議論されるようになりました。

そしてもし利上げが行われれば、住宅ローンの金利にも影響が出る可能性があります。特に変動金利の住宅ローンでは、将来の返済額が増える可能性があります。

このような理由から、現在は「利上げによる住宅ローンへの影響」がニュースでも注目されているのです。

まとめ

住宅ローンとは、家を購入するために金融機関からお金を借りる仕組みです。多くの場合、数千万円という大きな金額を借り、20年から35年ほどの長い期間をかけて返済していきます。

住宅ローンでは、借りたお金に加えて「金利」がかかります。金利とは、お金を借りるときに支払う料金の割合のことです。そのため、金利が高くなるほど利息も増え、最終的な返済額も大きくなります。

利上げとは、この金利が引き上げられることを指します。金利が上がると、お金を借りるときの料金も高くなるため、住宅ローンの負担が大きくなる可能性があります。

特に、金利が途中で見直される変動金利の住宅ローンでは、利上げの影響を受けて将来の返済額が増えることがあります。このような理由から、現在は「利上げが住宅ローンにどのような影響を与えるのか」が注目されています。

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