会社を退職すると、会社で入っていた企業型確定拠出年金の「加入者資格喪失手続完了通知書」が届くことがあります。名前からして難しく、初めて見ると、それだけで身構えてしまう書類です。内容を読んでもすぐには頭に入りにくく、「何か手続きをしないとまずいのでは」と感じた方もいると思います。
実際、この通知書が届くと気になりやすいのは、そのままにしていて大丈夫なのかという点です。
- 退職して会社から離れたことで、このお金はどういう扱いになるのか
- 何もしなかった場合は手数料が引かれると聞いたが、放置するとどうなるのか
- 国民年金や厚生年金のような公的年金にまで何か影響を及ぼすのか
言葉が難しいぶん、不安だけが先に大きくなりがちです。
この記事では、まずこの通知書が何を知らせるものなのかを確認し、そのうえで放置すると何が起こるのか、公的年金への影響はあるのかを順番に整理していきます。必要な点に絞って、できるだけわかりやすく見ていきましょう。
退職後に届く「資格喪失通知」とは?
この通知は「前の会社の制度から外れた」というお知らせ
会社を退職すると、前の勤務先で入っていた確定拠出年金について、資格喪失の手続きが行われます。
「加入者資格喪失手続完了通知書」は、その手続きが終わったことを知らせる書類です。
名前が難しいので身構えてしまいがちですが、これは異常やトラブルを知らせるものではありません。
内容としては、前の会社の制度の加入者ではなくなったという事実を伝える通知です。
とはいえ、お金がなくなったわけではない
この通知書が届いたからといって、これまで積み立てていたお金が消えたわけではありません。
なくなったのは、前の会社の制度の加入者でいられる資格です。
つまり今は、お金そのものを失った状態ではなく、前の会社の制度では持ち続けられなくなったため、この先の扱いを決める必要がある状態です。
この点を先に整理しておくと、通知書の意味はかなりつかみやすくなります。
確定拠出年金を退職後に放置するとどうなる?
何もしないと、国民年金基金連合会へ自動で移される
前の会社を退職し、確定拠出年金の加入者資格を失ったあと、6か月以内に必要な手続きをしないと、積み立てていたお金は国民年金基金連合会へ自動で移されます。 厚生労働省も、資格喪失後6か月以内に資産の移換手続きなどをしなかった場合、その資産は国民年金基金連合会へ自動的に移換されると案内しています。
国民年金基金連合会という名前は少し分かりにくいですが、ここでは何もしなかった場合に、お金が自動で移される先と考えれば十分です。自分で「ここに移したい」と選んで申し込む先ではありません。
そのため、iDeCoなどに移したい場合は、自分で手続きが必要です。 何もしなくても、自動でそちらへ移るわけではありません。
自動で移された後は、お金が増えず、手数料が残高から引かれる
国民年金基金連合会へ自動で移されたあとのお金は、運用されません。 つまり、そのまま置いていても増えることはありません。厚生労働省も、自動移換された資産は運用されないと案内しています。
しかも、その間は手数料がかかります。ここでいう「手数料が引かれる」とは、別に請求が来て支払うという意味ではありません。積み立てていたお金の残高から差し引かれるという意味です。
現在の公式案内では、自動移換の際に最初に4,348円が差し引かれ、その後は4か月後から毎月98円ずつ、残高から管理手数料が引かれます。つまり、放置すると、お金は増えないまま少しずつ減っていくことになります。
公的年金への影響はある?
国民年金や厚生年金が直接減るわけではない
結論から言うと、このまま放置しても、国民年金や厚生年金の金額が直接減るわけではありません。
今回の通知書や放置で問題になるのは、会社で積み立てていた確定拠出年金のほうです。これは、国民年金や厚生年金とは別の老後資金なので、公的年金とは分けて考える必要があります。
そのため、「確定拠出年金を放置すると、公的年金まで減るのでは」と心配する必要はありません。影響が出るのは、あくまで会社で積み立てていたお金のほうです。
また、このことによって、国民年金や厚生年金の加入記録そのものに影響が出るわけでもありません。
つまり、今回届いた通知書の話は公的年金の問題ではなく、会社で積み立てていた老後資金をどう扱うか、という問題です。
まとめ
「加入者資格喪失手続完了通知書」は、前の会社で入っていた確定拠出年金の制度から外れたことを知らせる書類です。突然届くと驚きますが、この通知が来たからといって、積み立てていたお金がその場でなくなったわけではありません。
ただし、そのまま前の会社の制度に置き続けることはできません。何も手続きをしないままでいると、お金は国民年金基金連合会へ自動で移されることになります。
しかも、自動で移された後は運用されないため、お金は増えません。そのうえ、最初に4,348円、その後は4か月後から毎月98円ずつ、残高から管理手数料が引かれていきます。放置すると、増えないまま少しずつ減っていく状態になります。
一方で、ここで影響を受けるのは、あくまで会社で積み立てていた確定拠出年金のほうです。国民年金や厚生年金が直接減るわけではありません。 公的年金まで悪影響が広がる話ではない、という点はまず押さえておいて大丈夫です。
とはいえ、放置しても得になることはありません。通知書が届いたら、「まだ何もしていない状態かどうか」を早めに確認し、そのままにせず対応を考えることが大切です。
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