自転車を盗まれたあと、しばらくして自治体から「撤去保管していますので引き取りに来てください」というハガキが届くことがあります。盗まれた自転車がどこかで乗り捨てられ、路上駐輪の回収対象になっていた、という流れです。
被害に遭った側からすると、かなりやりきれない話です。自転車を盗まれただけでも困るのに、引き取りのために手数料まで必要だと言われれば、踏んだり蹴ったりだと感じるのは至極当然の感情です。
ただ、ここでちょっと待ってください。実はこのケース、必ずしも手数料を払う必要があるとは限りません。
というのも、自治体によっては撤去される前に警察へ盗難届を出していた場合、返還手数料を免除する扱いを設けているからです。
盗難届を撤去前に出していれば、返還手数料が免除される自治体がある
盗難された自転車でも、放置自転車として撤去されることがある
自転車の盗難というと、そのまま見つからないまま終わる印象を持たれがちです。ただ、実際には盗まれたあとにどこかで乗り捨てられ、路上に放置された状態で見つかることがあります。そうなると、自治体から見れば「盗難車」ではなく、まずは路上にある放置自転車として処理されます。
その結果、撤去保管所に移されたあとで、登録情報をもとに所有者へ通知が送られる流れになります。突然「引き取りに来てください」というハガキが届くのは、このためです。盗まれた側としては納得しにくいところですが、現場では撤去と保管の手続きが先に進んでいきます。
このときに確認したいのは、単に盗難被害だったという事情だけではありません。返還手数料の扱いでは、いつ盗難届を出していたかが重要になります。
ポイントは「撤去前に盗難届が出ているか」
返還手数料の免除が問題になる場面では、盗難届を出していた事実そのものより、撤去される前に受理されていたかどうかが見られます。自治体によって違いはありますが、撤去前に警察へ届け出ていたケースを免除対象としているところは少なくありません。
反対に、盗難届を出していればそれだけで必ず無料になるわけではありません。あとから届け出た場合は免除されない扱いもありますし、自治体によっては時期の区切り方も少し異なります。「撤去日の前日まで」とするところもあれば、「撤去日まで」「撤去日時より前」と案内しているところもあります。
この差は細かく見えて、実務ではかなり大きな違いになります。盗難に気づいた段階でできるだけ早く警察に届けておくことが、その後の手数料の扱いにもつながります。
ただし、全国共通ルールではない
この扱いは、全国どこでも同じではありません。
東京23区の各区のように、撤去前の盗難届で返還手数料が免除される可能性を比較的わかりやすく案内している自治体もあります。公開ページの時点で条件が読み取りやすく、住民側でも判断しやすい傾向があります。
例:
新宿区HP「自転車・原付を撤去された方」
文京区HP「放置自転車の撤去」
その一方で、地方都市では返還時の手数料額や引取方法は案内されていても、盗難届との関係までははっきり書かれていないことがあります。公開案内を見る限りでは、まず手数料を徴収する前提に見える自治体もありました。
そのため、「被害届を出していれば当然無料」とは考えないほうが無難です。
ハガキが届いたら、まずは保管所や自治体の担当窓口に連絡し、盗難届を提出済みであることを伝えたうえで、免除対象になるかを確認するのが現実的です。受理番号や届出日時を聞かれることもあるので、警察に届け出た際の記録は手元に残しておいたほうが動きやすくなります。
もしくは、盗難届を出していれば手数料が免除になる自治体の場合は、ハガキのどこかに「※ただし、放置された自転車が盗難車である場合は~」などといった但し書きが記されているケースも多いです。チェックしてみてください。
自転車の盗難届の出し方
ここでは念のため、盗難届の出し方を補足しておきます。基本的には必要な情報を持って最寄りの交番や警察署に行けばOKです。
警察署や交番の窓口で質問に答える
自転車の盗難届は、警察署や交番の窓口で「自転車を盗まれたので盗難届を出したいです」と伝えれば足ります。
その場では、盗まれた日時や場所、最後に確認したタイミング、自転車の特徴などを順に聞かれるのが一般的です。どこに置いていたのか、鍵をかけていたのか、いつ盗難に気づいたのかといった点も確認されます。
なお、状況がはっきりしない段階でも、相談自体はできます。たとえば、なくしたのか盗まれたのか判断しきれない場合でも、「盗まれたと思うので状況を相談したい」と伝えれば進めやすくなります。最初からきれいに整理して話せなくても問題ありません。
ただし、場合によっては「不足している情報を集めて出直してきてください」とやんわりお断りされるケースもあります。しかし、そこで帰ってしまうと、「撤去のハガキが届く前に盗難届を出す」という重要なミッションを達成できないままになり、結局手数料を払う結果になりかねません。
もちろんあまり無理を言って居座るのはよくないですが、可能な範囲で粘って盗難届を出す方向性に持っていけるとベストです。
持っていくとスムーズなもの
盗難届は手ぶらでも相談できますが、手元の情報がそろっているほど話は進めやすくなります。特に自転車を特定できる情報は重要です。
持っていくと役立つものは、次のとおりです。
- 本人確認書類
- 防犯登録番号
- 車体番号
- メーカー名、車種、色などの自転車の情報
- 防犯登録控え、保証書、レシートなど所有者とわかるもの
- 盗まれた場所や時間がわかるメモ
- 自転車の写真
この中でも、防犯登録番号や車体番号があると話が早くなります。購入時の書類が残っていなくても、写真や見た目の特徴だけで補えることはあります。ただ、情報が少ないと確認に時間がかかりやすいため、家に控えがないか一度見直してから出向くほうが動きやすいはずです。

ちなみに、書類が手元にない場合でも、自転車を購入した店舗(防犯登録をした店舗)に控えが残っているケースもあります(およそ数年間)。よっぽど購入してから長い年月が経っていなければ、試しに問い合わせてみましょう。
届出のあとに控えておきたいこと
盗難届を出したあとは、その場で終わりにせず、記録を残しておくことが大切です。あとで自治体や保管所に事情を説明する場面では、いつ、どこで、どの内容で届け出たのかが必要になることがあります。
控えておきたいのは、次のような情報です。
- 受理番号
- 届出日
- 届出時刻
- 受理した警察署名または交番名
このあたりは、紙に書いてもスマートフォンのメモでも構いません。あとから確認できる形で残っていれば十分です。(保管所の人がその番号をもとに警察署などに問い合わせます)
盗難届は、出したつもりになっているだけでは足りない場面があります。自治体側に伝えるときも、届出の時期が重要になることがあるため、受理番号や日時はその場で確実に控えておいたほうが安心です。
まとめ
以上、このように盗難された自転車が放置自転車として撤去されても、「盗難届を出していれば、引取手数料が免除される」可能性があります。
数千円ではありますが、地味に痛い金額であり、なにより悪いのは盗んだ人であって自分に非がないのに払うのは馬鹿らしいお金です。
少しでも嫌な思いが軽減されるよう、盗まれたと判断したらなるべくすぐに警察に相談しましょう!
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