退職前に休職していたら失業保険はもらえない?実際の計算ルールを解説

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失業保険(正式には「雇用保険の基本手当」)とは、会社を退職して仕事を失ったときに、生活を支えるためにハローワークから給付を受けられる制度です。

この制度では、支給額の計算にあたって「離職前6か月の給与」が基準になるとされています。そのため、「直前にどれだけ給料をもらっていたか」が重要になる仕組みです。

しかし、病気やケガなどで退職前に休職していた場合、一定期間は給料が支払われていないことがあります。このとき、「給料がない期間があると、失業保険はもらえないのではないか」と不安に思う方も多いでしょう。

ですが結論から言うと、休職期間があって給料がない月が含まれていても、基本的には失業保険を受け取ることは可能です。

今回はその理由や具体的な計算の仕組みについて、順を追って説明します。

休職して給料がない月があっても失業保険はもらえる

休職していて給料が支払われていない期間があっても、それだけで失業保険が受け取れなくなることはありません。
ただし、いくつかの条件を満たしている必要があります。また、給料がない月の扱いについても決まったルールがあります。

受給するための条件

まず前提として、失業保険を受け取るためには、次の条件を満たしている必要があります。

  • 雇用保険に加入している(※会社勤めなら基本的に全員)
  • 離職前2年間で被保険者期間が12か月以上ある(会社都合退職の場合は6か月以上で可)
  • 働ける状態で、求職活動をしている

ここでいう「被保険者期間」とは、賃金の支払いの基礎となる日数が11日以上ある月を指します。
そのため、休職中で賃金の支払いがない月は、この期間に含まれない点に注意が必要です。

例:在籍期間が長くても条件を満たさないケース
・離職前2年間で会社に在籍していた
・ただし、賃金支払基礎日数11日以上の月が11か月しかない
→ この場合、必要な12か月に1か月足りないため、原則として受給資格はありません

給料がない月は計算から除外される

失業保険の支給額は、「離職前6か月の給与」をもとに計算され、一般的には賃金の約5〜8割程度が目安です。
しかし、これは単純に直前の6か月を指すわけではありません。

休職などで賃金が支払われていない月については、計算の対象から除外されます。
そのうえで、給料が支払われていた月をさかのぼって6か月分集めて計算されます。

つまり、「給料がない月がある=不利になる」というわけではなく、適切に除外される仕組みになっています。

具体例:年収400万円の会社員が退職前に休職していた場合

たとえば、年収400万円の会社員が、退職前の3か月間を休職していたケースを考えます。
この場合、月給はおおよそ30万円前後です。

  • 退職前3か月は休職(給料0円)
  • この3か月は計算の対象外
  • その前の働いていた期間から、月給30万円の月を6か月分集める

つまり、計算に使われるのは次のようなイメージです。

30万円 × 6か月分=180万円

この180万円をもとに、1日あたりの手当の金額が計算されます。

このように失業保険は、給料が支払われていない期間がきちんと除外され、実際に働いていた期間の給与だけで計算される仕組みになっています。

休職前の給与の額はどうやって証明する?

ちなみに休職期間がある場合でも、それ以前の給与の額を自分で証明する必要は基本的にありません。
その理由は、会社が作成する書類によって、ハローワーク側で確認できる仕組みになっているためです。

離職票で賃金が確認されるので問題ない

退職すると、会社はハローワークに「離職票(正確には「離職票-2」と呼ばれるもの)」を提出します。
この書類には、失業保険の計算に必要な情報がまとめられています。

  • 退職前の賃金
  • 賃金が支払われた月
  • 休職などで賃金がない期間

これらの情報をもとに、ハローワークが自動的に支給額を計算してくれます。
そのため、本人が給与明細などを用意して計算する必要はありません。

本人がやること

本人が行うことは、基本的に離職票の内容を確認することだけです。
特に次の2点は必ずチェックします。

  • 賃金の欄
     休職していた月が「0円」など、正しく記載されているか
  • 賃金支払基礎日数
     働いていた月の日数が正しく入っているか

もし記載内容に誤りがある場合は、会社に修正を依頼します。
また、ハローワークでも相談が可能です。

内容に問題がなければ、そのまま通常どおりの流れで申請を進めて問題ありません。

まとめ

休職していた期間があり、給料が支払われていない月があっても、失業保険は基本的に受け取ることができます。制度上、そのようなケースも想定された仕組みになっています。

ポイントは次のとおりです。

  • 休職して給料がない月があっても失業保険は基本もらえる
  • 賃金がない月は計算から除外される(給料があった月までさかのぼって計算される)
  • 手続きは通常どおりハローワークで申請すればOK

このように、休職期間があること自体は大きな問題にはなりません。
大切なのは、「給料が支払われた月」をもとに正しく計算される仕組みを理解しておくことです。

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